こんにちは。Y’sジムいすみの樋口です。
運動を始めたばかりの方から、いちばんよく出てくる言葉があります。
「今日のやつ、筋肉痛が来なかったんですけど、効いてないですかね」
気持ちはすごくよく分かります。体が痛いと「やった感」がありますし、痛くないと手を抜いたような気がしてしまう。世の中の空気も、なんとなく「全身筋肉痛=効いた証拠」という方向に寄っています。
でも、ここははっきり言っておきたいところです。筋肉痛の強さと、体が変わる速さは、あまり関係ありません。むしろ痛みを目印にしてしまうと、続かなくなる方向に転がっていきます。
筋肉痛は「効いた証拠」ではなく「慣れていない証拠」
筋肉痛が出やすいのは、だいたい決まっています。久しぶりに動いたとき。今までやったことのない動きをしたとき。いつもより回数を一気に増やしたとき。つまり「体が慣れていない」ときに出やすいということです。
逆に、同じ運動を何週間か続けていると、だんだん筋肉痛は出なくなってきます。これは効かなくなったのではなくて、体がその動きに慣れた、という話です。
草刈りにたとえると分かりやすいと思います。しばらくやっていなかった庭の草を、いきなり2時間刈る。翌日、腕も腰もバキバキになりますよね。でもあの痛みは「草刈りが上達したしるし」ではありません。ただ久しぶりだっただけです。
そして毎週続けていると、そのうち痛くならなくなる。でもそのころには、同じ時間でもっと広い範囲を刈れるようになっています。進んだかどうかを表しているのは、痛みではなく「刈れた量」のほうなんです。運動もこれと同じです。
ちなみに筋肉痛がなぜ起きるのかは、実はまだ完全には分かっていない部分があります。分かっていないものを目印にして一喜一憂するのは、もったいない話です。
痛みが強い=効果が大きい、でもない
もうひとつ。筋肉痛の出方には、かなり個人差があります。
同じメニューを同じ回数やっても、翌日ガチガチになる人もいれば、ほとんど何も感じない人もいます。部位によっても違って、太ももやお尻は出やすい一方で、背中や肩まわりは効いていても痛みとして感じにくいことがよくあります。
これは体質のようなもので、優劣ではありません。痛くならなかった人が手を抜いたわけでも、筋肉がつきにくいわけでもない。痛みが出ていなくても、負荷はちゃんとかかっています。
「痛みが出なかった=今日はムダだった」と考えてしまうと、次に痛みを出しにいくために無理をします。この流れが、いちばん危ないところです。
見るところを、痛みから「記録」に変える

では何を目印にすればいいのか。おすすめはこの4つです。難しいことは何もありません。
- 前回より1回でも多くできたか。10回が11回になれば、それは前に進んでいます
- 同じ重さ・同じ回数が、少し楽になったか。数字が変わっていなくても、これは立派な変化です
- 今週、何回できたか。1回あたりの強さより、週の合計のほうがずっと効きます
- それをメモに残したか。スマホのメモでも手帳でも構いません。書いていないと、続けていても進んでいる実感が持てません
運動には「少しずつ負荷を足していくと体が応えてくれる」という考え方があります。足していくのは、痛みではなく回数や重さのほうだと思ってください。
数字の見方については、「20分以上やらないと脂肪は燃えない」は、気にしなくていいでも書きました。1回の長さや強さより、週に何回できたかを見る。考え方は同じです。
よく聞かれること
「筋肉痛が来ないと、やった気がしません」
その感覚自体は否定しません。ただ、毎回しっかり筋肉痛を出しにいくと、次の2〜3日はまともに動けなくなります。週3回やれたはずの人が、週1回になる。これで1週間の合計を比べると、しっかり追い込んだ側のほうが少なくなってしまうことが多いです。
「痛いときは休んだほうがいいですか」
軽い張りくらいなら、散歩や軽いストレッチで動かしたほうが楽になることが多いです。ただし、関節が痛い、腫れている、数日たっても引かない、動かせないほど痛い——このあたりは別の話なので、無理をせず医療機関に相談してください。
「もう筋肉痛が来なくなりました。これ以上変わらないですか」
そんなことはありません。回数を1回足す、重さを少しだけ上げる、休憩を10秒短くする。どれか1つで十分です。ここで一気に負荷を倍にしないことだけ気をつけてください。「筋トレしたら脚が太くなる」は、まず起きませんでも触れましたが、最初から追い込みすぎて数日歩けなくなるパターンは、続かない原因の代表格です。
まとめ:次の1回で、回数だけメモする
まとめます。筋肉痛は、体が慣れていないときに出るサインであって、成果の通知表ではありません。出た日も出なかった日も、やったことはちゃんと積み上がっています。
今日からの一歩目は、1つだけで大丈夫です。次に運動したとき、種目と回数をメモに残してください。それだけで、来週の自分が比べる相手ができます。
痛みは日によってバラバラですが、記録は嘘をつきません。続けるコツについては気持ちで続けない。仕組みで続けるにも書いているので、あわせて読んでみてください。
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参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「運動プログラム作成のための原理原則」






