「20分以上やらないと脂肪は燃えない」は、気にしなくていい

こんにちは。Y’sジムいすみの樋口です。

「歩こうと思ったんですけど、20分もまとまった時間が取れなくて、結局やめました」

この夏、もう何回この言葉を聞いたか分かりません。皆さんちゃんと知識があって、真面目なんです。だから「中途半端にやっても意味がない」と考えて、やらないほうを選んでしまう。

でも、これがいちばんもったいない。

先に結論を言います。脂肪は、動き始めた瞬間から使われています。20分を超えたらスイッチが入る、というものではありません。今日はこの話をします。

「20分」の話は、どこから来たのか

もともとは、運動中に体が何をエネルギーに使っているか、という研究の話です。動き始めてしばらくは糖のほうが多く使われていて、時間が経つにつれて脂肪が使われる割合が増えていく。ざっくり言うと、そういう内容でした。

ここで大事なのは「割合」という言葉です。ところが伝わっていくうちに、「20分までは脂肪はゼロ」という話に化けてしまいました。ゼロか100か、みたいな受け取られ方をしてしまったんです。

車で考えると分かりやすいと思います。エンジンをかけて走り出した瞬間から、ガソリンは減っていきますよね。20分走らないと1滴も減らない車なんて、ありません。長く走ればそのぶん多く減る。ただそれだけの話です。

体も同じで、5分歩けば5分ぶん、10分歩けば10分ぶん、ちゃんと使われています。少ないだけで、ゼロではないんです。

1回の長さより、1週間の合計

僕がお客様に見てもらっているのは、1回あたりの時間ではなくて、1週間でどれだけ体を動かしたかのほうです。

10分を3回でも、合計すれば30分です。体は「今日は何時に何分続けたか」を採点しているわけではありません。お腹の脂肪の話のときにも書きましたが、体はもっとどんぶり勘定で、出入りの合計を見ています。

国の資料でも、身体活動は日常の動きも含めた合計で考えていく方向になっています。掃除も、買い物も、階段も、全部その中に入ります。まとまった運動の時間だけが「運動」ではないんです。

そして現場で見ていて確かなのは、1回30分やろうとする人より、1回5分でも週5回やる人のほうが、半年後に残っているということです。これはもう、はっきりしています。

今日からできる3つのこと

夕方の住宅街の階段を、日常の服装で上っている人の足元

  1. 「20分取れないからやらない」を、やめる。5分でいいです。玄関を出て、いつもの角を曲がって戻ってくるだけ。それでもう成立しています
  2. 予定に入れず、行動にくっつける。ゴミを出したついでに1本先の道まで行く、買い物は入口から遠い場所に停める。時間を確保しようとすると、忙しい日に真っ先に消えます。気持ちで続けない。仕組みで続けるにも書いたとおりです
  3. 採点を「分」から「回数」に変える。今週、体を動かした日が何日あったか。この数え方にすると、5分の日もちゃんと1回に入ります。0の日を減らすことがいちばん効きます

ハードルの下げ方については、運動のハードルは、うんと下げようにもう少し詳しく書いています。

「短い運動じゃ、意味がないのでは」

正直に言うと、5分は5分ぶんの効果しかありません。ここは誤解しないでください。5分歩いただけで、食べた分が帳消しになるようなことは起きません。

それでも僕が5分をすすめるのは、0分と5分の差が、5分と10分の差よりずっと大きいからです。

0の日というのは、消費カロリーの問題より、気持ちの問題が大きいんです。何もしなかった日が続くと、「もう今週はダメだ」と一気にどうでもよくなる。そこから食事まで崩れていく。この流れを、僕は何度も見てきました。

5分でも外に出た日は、その崩れ方をしません。短い運動の本当の役割は、脂肪を燃やすことより、自分を「やっている側」に置いておくことだと思っています。

そして続けているうちに、不思議と5分が10分になります。逆はほとんど起きません。最初に30分と決めた人が、25分に減らして続ける、という光景をあまり見たことがないんです。

まとめ

「20分続けないと脂肪は燃えない」は、気にしなくていいです。動き出した瞬間から、体はちゃんと使っています。

見るべきは1回の長さではなく、1週間のうち何日動けたか。まずはそこだけでいいです。

今日の一歩目は、5分だけ歩く。これだけにしてください。時間を測らなくてもいいので、いつもの道を少し遠回りするくらいの気持ちでどうぞ。

「5分は出られても、その先が続かない」という方へ

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参考:厚生労働省「身体活動・運動の推進」