「骨盤の歪み」を直しても、体重は減りません

こんにちは。Y’sジムいすみの樋口です。

体を整えると痩せる、という話をよく聞きます。骨盤の歪みを直したら体重が落ちた、とか、まずは歪みを整えてから運動したほうがいい、とか。

実際、体を整えてもらった帰りに「なんだか体が軽い」「立ちやすい」と感じることはあります。あれは気のせいではないと思います。

ただ、そのあとに続く「だから脂肪が落ちる」の部分は、少し話が別です。ここを一緒にしてしまうと、頑張っているのに数字が動かない、という遠回りになりやすい。

今日はここを整理しておきます。結論から言うと、歪みを直しても、体重そのものは減りません。でも「見え方」は変わります。この2つは別のものです。

脂肪は、並べ直しても減らない

体重が減るときに起きていることは、実はとてもシンプルです。使ったエネルギーが、食べたエネルギーより多かった。基本的にはこれだけです。

骨盤の傾きや左右差が変わったからといって、1日の消費が何百キロカロリーも増えるわけではありません。姿勢が変わることで動きやすくなり、結果として運動量が増える、という間接的な効き方はありますが、それは「歪みが取れたから痩せた」とは少し違う話です。

部屋の片付けにたとえると分かりやすいと思います。散らかった部屋の家具の位置をきれいに直すと、見た目はぐっとすっきりします。動線もよくなって、暮らしやすくなる。でも、部屋にあるモノの総量は1グラムも減っていません。実際に減らすには、いらないものを外に出す作業が別に必要です。

体も同じで、並べ直す作業と、量を減らす作業は別物です。減らすほうを担当しているのは、食事の量と、体を動かす回数のほうです。

それでも「細くなった」は、本当に起こる

ややこしいのは、姿勢が変わると本当に細く見えることです。ここが誤解の入り口になっています。

猫背で肩が内側に丸まっていると、胴が縮んで見えます。骨盤が前に倒れて反り腰になっていると、お腹だけが前に出て見えます。そこが整うと、同じ体重でも見た目は変わります。写真に写ったときの印象も変わります。

だから「痩せましたね」と言われることは、実際にあります。それ自体は嬉しい変化ですし、否定する気はまったくありません。

ただしこの変化は、体重計には出てきません。鏡に出る変化と、体重計に出る変化は、別の入り口から入ってきます。ここを分けて考えられるようになると、必要以上に落ち込まなくてすみます。

見た目と数字がズレる話は、「筋トレしたら脚が太くなる」は、まず起きませんでも書きました。体重が同じでもズボンが緩くなることは、普通にあります。

今日からできること

朝の洗面所で体重計に乗っている足元。窓から自然光が入っている

やることは、そんなに多くありません。見るものを分けるだけです。

  1. 体重は毎日測って、週の平均で見る。1日単位の増減はほとんど水分です。比べるのは今週と先週の平均どうしにしてください
  2. 見た目は、月に1回の写真で見る。毎日鏡を見ても変化は分かりません。同じ場所・同じ服・同じ時間で撮っておくと、1か月後にはっきり分かります
  3. 姿勢は、1日1回思い出すだけでいい。立ったときに胸を軽く開く、座り直すときに深く座る。これで十分です
  4. 減らす作業は、食事と運動の回数で担当する。ここだけは姿勢では代わりがききません

順番で悩む方も多いのですが、整えてから運動する、と待つ必要はありません。痛みがないなら、今週から動きはじめて大丈夫です。動いているうちに姿勢のほうも一緒に変わっていきます。

よく聞かれること

「じゃあ整体やストレッチは意味がないんですか」
そんなことはありません。肩や腰が楽になる、動かせる範囲が広がる、運動がやりやすくなる。これは十分な価値です。僕自身も体をゆるめる時間は必要だと思っています。ただ「脂肪を減らす担当」ではない、というだけの話です。目的が違う道具を、目的どおりに使いましょう。

「歪みがあるから痩せないと言われました」
まずは1週間の食事と、体を動かした回数を書き出してみてください。ほとんどの場合、答えはそちらに出てきます。歪みが原因で体重が落ちない、というケースは僕は見たことがありません。

「気になる部分だけ引き締めたいです」
気持ちは分かるのですが、脂肪は落ちる場所を自分で選べません。この話はお腹の脂肪は、腹筋運動では落ちませんに詳しく書いています。

「左右差があるのが不安です」
左右がぴったり同じ人は、まずいません。利き手も利き足もあるので当たり前です。ただし、痛みがある、しびれる、片脚に体重をかけられない、といった場合は別の話なので、無理をせず医療機関に相談してください。

まとめ:見るものを2つに分ける

まとめます。姿勢を整えると、見た目と動きやすさは変わります。でも脂肪の量は、食べた分と動いた分でしか動きません。整えるのは「並べ直す作業」、落とすのは「減らす作業」です。

今日からの一歩目は、1つだけで大丈夫です。体重を、今日と昨日ではなく、今週と先週の平均で比べてみてください。1日ごとの上下に振り回されなくなるだけで、続けやすさが変わります。

あとは、そのペースを守るだけです。急いで落とそうとするほど遠回りになるという話は、コツコツ太るんだから、コツコツ痩せようにも書いています。

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参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」